このブログをご覧のみなさん、こんにちは。
『許可を求めるな謝罪せよ』のフレーズを Google で検索するとたくさんでてきます。
平鍋健児さんが通訳したものを川口恭伸さんが吉岡弘隆さんに教えて、及川卓也さん、和田卓人さんなど多くの人に一気に拡散したようです。
2014-05-26 – 未来のいつか/hyoshiokの日記
「許可を求めるな謝罪せよ」後にこれは誤訳だろうと思ったタイトルだが(略)
と書いてあるものの訂正はされていないようです(2014/6/18 現在)。
2011-02-05 – 未来のいつか/hyoshiokの日記
著名な方が拡散してしまうと「それは誤用ですよ」、と伝えてもほとんど効果がないでしょうし、もう誤用が広まるのを止めることはできないでしょうから、そもそもの意味についてネイティブに確認したので、メモとして残しておきます。
forgivenessの意味 – 英和辞典 Weblio辞書
には以下のように記載されています。
forgiveness
アクセント・音節for・gíve・ness
【名詞】【不可算名詞】
1(罪などの)許し,容赦; (借金の)免除.
用例
ask for a person’s forgiveness 人の許しを請う.
2寛大さ,寛容性.
には以下のように記載されています。
apologize
表記apologize(米国英語), apologise(英国英語)
音節a・pol・o・gize 発音記号/əpάlədʒὰɪz|əpˈɔl‐/
【動詞】 【自動詞】
1a(口頭または文書で)謝る,わびる.
用例
I must apologize. 申し訳ありません.
b〔+前置詞+(代)名詞〕〔人に〕〔…のことに対して〕謝る,わびる,謝罪[陳謝]する 〔to〕 〔for〕《★受身可》.
用例
Harry apologized to us for arriving late. ハリーは我々に遅刻のわびを言った.
2弁解する,弁明する.
“謝罪”という意味では“apologize”が使われます。ネイティブにこれらのニュアンスの違いを質問した際に「神様に許しを請う際に謝罪はしない」と回答をもらいました。『許可を求めるな謝罪せよ』の場合、『正規の手続き(=許可を取る)をするより、とにかくやってしまえ。やった後から正規の手続きをしていない(=許可を取らずにやった)事を謝りなさい』となります。
“beg for forgiveness”を“許しを請う”と解釈して、『許可を求めるな許しを請え』の場合、『正規の手続き(=許可を取る)するより、とにかくやってしまえ。やった後に問題(正規の手続きをしていないなど)があれば、相手に許しを請いなさい』となります。
この 2 つの意味の違いは些細なものだと思う方もおられるかもしれませんが、そもそもどういった意味で使われていたものなのか知っていた方が良いと思います。もちろん、言葉の意味は時代と共に変わるものなので、それも含めてですが。