幸せな人生ってなんだろう?

社内で異動するより退職する方が良いのはなんとかならないか。
転職先でどういう場所に行くことになるかは不確実だという点を含め、コストは軽視されがち。
社内の場合はそのコスト(面倒くささ)が見えやすいので、重く見られがち、だけど実はそこそこコントローラブルという点は忘れがち。
一方で上司と合わなくなったり、仕事で追い詰められると選択肢のなさも感じやすい。

みたいな意見を聞いて、“幸せな人生ってなんだろう?”と考えた。なぜかというと退職という選択肢をとっている人は幸せな人生を歩むための手段として退職をしているだけ、と考えているからだ。

幸せとは?

価値観は人によって千差万別である。そのため、“幸せ”の定義とはこういうものだ!っというのは非常に困難だ。仕事が生きがいの人にとっては毎日激務で深夜にならないと帰れなくても幸せかもしれないし、お金がすべての人にとっては仕事が楽しくなくても高給ならそれで幸せかもしれないし、家族と過ごす時間が一番大切な人にとっては給料は安くても家族と過ごす時間が長く取れる方が幸せかもしれない。ただ公私混同という言葉から分かるように、仕事(『公』)と家庭や趣味(『私』)が重要な要素であることは確かだ。そこで、ここでは仕事(『公』)が充実し、家庭や趣味(『私』)も充実している状態を“幸せ”と定義する。

仕事が充実しているとは?

では仕事が充実している状態とはどんな状態か考えてみよう。色々な人と話していると、仕事が充実しているとは“働きがい”を感じてる状態のようだ。では“働きがい”とは何だろうか?

“働きがい”とは?

“働きがい”とは以下の要素などに分類できる。

“働きがい”には“給与が高い”や“休みが自由に取れる”などは含まれていない。なぜならそれらは“働きやすさ”という要素になるからだ。

“働きやすさ”とは?

“働きやすさ”とは以下の要素などに分類できる。

“働きがい”と“働きやすさ”の関係性

自己実現理論 – Wikipediaを見れば分かる通り、“働きやすさ”の要素の方が“働きがい”の要素に比べてより低次の欲求になっており、またお互いに影響を与え合わない関係性になっている。

例えば、給与が低かったり、休みが自由に取れなかったり、雇用が不安定だからといって、必ずしも“働きがい”が失われるわけではない。これの好例は自分で起業したり、スタートアップで働くと“働きやすさ”は低下するものの、“働きがい”は高くなる、という場合が多い。

逆に、給与が高かったり、休みが自由に取れたり、雇用が安定していても、毎日代り映えのしない仕事であれば、“働きがい”を感じることは少ないだろう。

職を辞する理由

GoogleやAmazonといった好待遇の環境での職を辞して、起業したり、スタートアップに参画する人がいる。どうしてこういった行動を取るのか?というと“マズローの欲求段階説”で考えれば自明の理である。つまり、“働きやすさ”の良い環境で、“マズローの欲求段階説”の第3段階までの欲求を満たせたので、次に第4段階の欲求を満たそうとして、転職しているというわけだ。これはある程度の“働きやすさ”を得た人にとっては、“働きやすさ”というのはさほど重要な要素にならなくなっているということを意味している。

一方で、給与が安かったり、社内の人間関係に嫌気が差して転職する人もいる。これも同じく“マズローの欲求段階説”で考えれば自明の理で、“働きやすさ”が低い状態=“マズローの欲求段階説”でいうところの第2、第3段階が満たせなくなり、満たせる場を求めて、そこを離れているというわけだ。

会社として何ができるか?

「“働きがい”と“働きやすさ”の関係性」で述べた通り、“働きやすさ”の高い環境だからといって、“働きがい”の高い環境に自動的になるわけではない。とはいえ、「職を辞する理由」で述べた通り、ある程度の“働きやすさ”を確保しなければ、“働きやすさ”を求めて職を辞してしまう。

上で述べた通り、“働きやすさ”の要素をカイゼンするのは金銭で解決できるものが多い。その反面、“働きがい”の要素はほとんどが金銭で解決できない。

今まで色々な人と話してきた限り、ことIT業界(SIerやWeb企業)で言えば、600万円程度の年収があれば、年収自体に関する不満は少なくなる傾向1があった。また、“働きがい”は会社が与えることはできないが、阻害することは容易い。例えば、何か新しいことにチャレンジする際に会社や上司が妨害することは容易に可能だ。一方で“働きがい”を与えることはできないが、“働きがい”を考える切欠を与えたり、引き出すことはできる。

そういう意味では、会社としては“働きやすさ”を確保しつつ、“働きがい”を阻害しない、または“働きがい”を引き出す環境にするというのができることになるだろう。


  1. これは、年収600万円の人にただ単純に700万円のオファーを出しても断る、ということを意味しているのではない